ひきこもり問題、パラサイトシングル問題、8050問題の専門家として、通常のブログと別に概説を書いておきます。

8050問題というのはひきこもりが長期化して親世代が後期高齢者、子供世代が、「就職不可能」世代に突入した、80歳と50歳という年齢から表現されています。歯医者さんとは関係ありません。

2種類のひきこもり 光と影

ひきこもりには2種類います。実家を出てある程度の期間自活したことがあるひきこもりと、ないひきこもりです。冷たい言い方に聞こえますが、後者には専業主婦も入ります。自活経験者は社会参画できない状態が不快ですし、経験もあり社会性も高いため、社会復帰ができやすいです。

しかし、実家を出たことがない人は、自分で、アパートも見つけられない、ひどい場合には料理も洗濯も、お金の管理もできないので、いろんな言い訳をして、結局働きません。家族や消費者としてはコミュニケーションできても、実際の社会性はありません。働かないでも誰かが養ってくれる限り永遠に寄生(パラサイト)しつづけます。

パトロンが死んでも役所に相談することもできなくて、餓死したり身投げしたりするケースもあります。残念なことに彼らは社会的に「生きた」経験がなく、プライドは高いが自活する自信がないため身動きが取れなくなります。

パラサイトの親は詐欺師のカモ

親も実子(全く子供とは呼べない年齢の)以上に精神的に追い込まれるため、宗教や互助会という名のサークルなどに多額の寄付をしてしまうこともあります。バブル経験者ですから「大金積めば大抵のことは片付く」と信じ切っています。騙されても何度も何度も騙されます。

気の毒になりますが、私どものところに来る頃には非常にケチになっています。そのため「正当な対価」を支払うということをしてくださらないのですが、そういうかたは残念ながら本気で詐欺を働く人に、いともあっさりお金を出してしまうものなのです。

ことに世間体にうるさい家庭のお子様はひきこもりになりやすく、その親はこどもの自立なんかどうでもよくて、自分の気分を紛らしてくれるもの、すなわち詐欺的なものに騙されやすく、そんな話をよそ様には言えませんから、結果として、どんどん家庭が社会的に孤立してしまうという悪循環に陥ります。

「捨てちゃえばいいや」ではすまない

詐欺師に騙されやすい親は、引き出し屋、引き剥がし屋、に数百万円のお金を渡してしまうことがあり、反社会的組織が、ひきこもりの部屋に入り込み、拉致誘拐し、農場で働かせたりします。

これらの手法は麻薬中毒やあらゆる依存症患者が多額の借金を抱えた場合に取られていた昔ながらの古典的な方法です。カタにはめて猿にもできる作業やらせて、体系的な教育があるわけでも、社会性が身につくわけでもないのです。それは最終的に犯罪者になるか、あるいはほかの血縁などを頼って、別のパラサイトをし始めるしかしかたない。

悲しいことですが、ヨットスクール的な施設に子供を捨てに来る親もたくさんいます。できるだけ自宅から遠い施設に入れます。ただ、これらの組織は法律など守りませんし、詐欺師団体なので、ハッピーな結末にはなりません。また有期ですから、せいぜい一年程度で戻ってきてしまいます。自体は何も変わりません。ただ貯金が数百万円程度減るだけです。

「人間死ぬ気になればなんでもできる」というお題目を唱えるだけで、こうした親は騙されてくれるので本当に簡単ですよね。寄生虫は「死ぬ気」「がんばる」というものと何十年も離れて暮らしていたわけですから、熊にダウンジャケットを着せようとするようなものです。頑張らなくても生きられる方法を知っているわけですから。

その一方で、丸抱えで面倒をみてくれるような人もいなくはありません。ただ、最終的にはその人自身が潰れてしまいます。パラサイト体質改善をしない状態でいくらフォローしたり育てようとしても、今度は寄生された側の生活が破壊されてしまうのです。

親子揃って浪費家体質

そこまでいかなくとも「無駄な高額な教育費用」をかけて、今やオワコンと呼ばれている国家資格を何年もかけて取得したり、海外留学したりということもあります。残念ながら資格だけでご飯が食べられる時代が終わって30年経っていますが、社会的に孤立して「昔のテレビ」を見ている人たちには「ようやく子供がやる気を出してくれた」と勘違いしてしまうのです。

今やあらゆる技能はYoutubeで学ぶことができ、それも自動翻訳や自動字幕もついていていまさら英語教材など買う必要もありませんが、底なしにお金を吸い取られる世の中に日本が変わっていることに気づけません。それも社会から孤立しているから。

ひきこもりの長期化は毒親のせいであることが多く、彼らはひきこもりを守ったり、殺したり、隠したりします。要するに過保護過干渉であり、オトナとして扱わないので乳離れせず、親に金をせびるか、暴力振るって小金引き出し遊んでいる場合もあります。

パラサイトは「ひきこもり」ではない

世の中では生活保護世帯に対する冷たい視線がありますが、8050問題においては50歳すぎの子供に親が月に30万円以上の現金を渡している例も少なくありません。もちろん50世代はそんなにお金があるのですから、ひきこもってはいません。

たとえば毎日のようにいろんなところにドライブに行く人も少なくありません。この年代は親の金で免許を取るのが当たり前の世代でしたし、地方に住んでいる場合には車なしに生活できないのはご承知の通りです。

家にいれば口うるさい親と喧嘩しなくてはいけないので、物理的に距離を置くことは精神衛生上、両者にとっては悪いことではありません。ただ、この状況に疑問を感じないほうが楽になるため、子供の自立を促す人はどこにもいなくなります。そして、パラサイトは場合によっては海外旅行にまで行けてしまいます。

8050問題の多くは毒親問題でもある

8割以上の確率で、毒親の親は毒親なので、自分の教育は正しい、と盲信しています。なぜなら自分がそういう教育を受けて、世間的に立派にやっている、つもりでいるからです。その教育で失敗しているにも関わらず、反省もありませんし他人が言うことにも壁を立てます。

謙虚さはゼロ。他責的であるため、やれ国が悪い、社会が悪い、教師が悪い、会社が悪い、アベが悪い、アメリカが悪い、医者が悪い。傘寿も過ぎている場合には身体もあちらこちら弱くなり、テレビに向かって一日中文句を言って過ごしていたりします。

こうした親御さんをなんとかしてほしい、というリクエストも本当によくいただくのですが、非常に多くの場合は無自覚で、実際問題「誰にも迷惑をかけていない」。

なぜか威張るパラサイトの親たち

お年寄りのコミュニティにも時々参加させていただきますが、みなさんテレビや新聞の悪口をおっしゃいますな。ならば見なければいい、と思いますし、私達はYoutubeチャンネルや、ペイパービュー(従量課金式)あるいは見放題のインターネット動画配信をいくらでも楽しめますが、そうした技術についていくのもめんどくさくなってしまった人たちは、偏差値35くらいの芸人たち、もしくは、頭が悪いふりをさせられている文化人たちを見てけなすことで自尊心を保っているのですね。

しかしながら、こうした高齢者と同居している場合には、テメェは悪くないのかよ、と子供が思うわけで、親がそういう方向(国に子供をなんとかしてくれ、とすがったり、政治家を動かしたり)に頑張れば頑張るほど子供は無気力になっていきます。

通常、アメリカで盛んであるAAのような「友の会」「互助会」「同じ苦しみを持つ人の会」は、皆に告白することで心が軽くなる、似たような苦しみを持っている人を発見して安心する、批判禁止、匿名前提なので自省的になるほかない、と一定程度の効用が期待できるものですが、日本におけるそれは「自分は悪くない」「子供が悪い」「世の中が悪い」・・・

親に起因する心の傷のケアは大切

ひきこもり問題において、悪者探しは全く意味がないのです。それを深堀りすると過去の話ばかりになり、未来への希望や活力までたどり着くことが難しくなります。少なくとも親御さんに関してはその話は無意味です。ただ、お子さんが忘れたくとも忘れられないような心の傷、いわゆる「トラウマ」については正しくケアすることが必要な場合も少なくありません。

もっとも、その「トラウマ」はそのお子さんの記憶にしかない場合が多く、それが「事件」だとしても、親子でその捉え方、感じ方が大きく違います。そのため親子同時のグループセラピーは意味をなしません。むしろ害悪でしかありません。(子供と一緒でないとお話ができない、という親御さんの場合は一緒に話をお聞かせいただく場合があります)

典型的なひきこもりの親はまた、権威主義者で世間知らずが多いのも特徴です。さらに会社の重要なポスト、裁判官や教師など、聖職者や偉い人、収入が多かったことがある、という特徴もあります。

世間からみると「偉い人」「なんでも知っている人」「権力者」なのですが、現実には神輿に担がれていただけの人であって、「庶民の常識」も知らなければ、「世の中のカラクリ」にも疎かったりします。濃い、楽しい、豊かな人生だったわけではなく、むしろ気のおけない世代も性別も違うような友だちはいたことがないし、これから先も作ることができないような人であったりします。

よく教師の子供はグレる、といいますが、グレるか、ひきこもりになります。ひきこもり行為や家族への暴力(DV)は、毒親への仕返しだ、という説もあります。これは「毒親自己責任論」ですが、そう定義だけ行って逃げてしまうお医者さんや学者さんもいて、卑怯だな、と思います。

心理学者は8050問題を解決できない

多くの社会学者や精神科医、心理学者はかなり的確な指摘をすることもあるのですが、非常に中途半端です。実際は、フロイト、アドラー、ユングなどの心理学である程度の「説明らしきもの」や「類型化」は行えてしまいます。ですが、日本ではキリスト教が支配的ではないことや、ニューファミリー世代が作り出し、否定もされていない「幸せの形」に配慮する必要があるのですね。

世界的に有名なこれらの心理学者の言うことは相当程度あたっているのですが、世界中の子どもたちが日本人のように引きこもりになるわけではありません。心理学と日本の精神医学会は強く結びついているようなのですが、ひきこもりやパラサイトは精神病ではなく、強いて言えば依存症であり、自立がない、自律的でない、常識そのものが歪んでいることによりおきているだけなのです。

大企業病とか「パカを作る機械」と揶揄されていた日本の官僚制や家父長制は護送船団方式で頂点に達し、その解体つまりハードランディングにともない引きこもりとパラサイトの大量発生を産んだのです。それはアカデミー賞を取った韓国映画「パラサイト」と背景はほとんど変わりません。むしろ日本のほうが深刻な状況が続いているとも言えます。

パラサイトは困ってない

それでは、どうすればいいのか? ひきこもり本人は全く困っていない。お金を稼いだことがないからお金のありがたみを知らない。香山リカ氏も指摘しているように「一発逆転人生」を狙っているので、履歴書のスキルでは「誰でもできるかんたんなお仕事」や底辺業しかてきないのに、絶対やらない。

自尊心は年齢並みに高いけど、精神年齢が小学生で、自分を王子様とか、王女様と思っている。指示がないと動けないし、雰囲気を察するとか、言われなくても動くということが全くできない、気が利かないので、「人手不足業界」では3日も持たない。とても残念なことに。

何しろ、大切に育ててこられました。そして、おそらく家族の中で最も浪費しているでしょう。絶対金額では浪費していないにせよ、稼いだお金と、使っているお金の比率で言えば、大変な浪費家なのです。それがパラサイト。それが8050問題の本丸。

ではどうしたら良いのか? ここから先は有料の話になりますね。現在のところ、メソッドの安全性が確認されていないので、まだ、マンツーマンで対応させていただいています。

2020年中には、「パラサイト再生法」として、少なくともおよそ20段階、こじれてしまっている場合はさらにもう8段階くらい多いのですが、半分程度までを有料頒布できるよう、企画しています。どうぞご期待ください。待てない方に関しては、引き続き、個別にご相談承ります。