つい2ヶ月前までは想定すらできなかった、「ひきこもり最強」時代がやってきました。ユーチューバー、マイラー、ポイント還元、広告収入、アフィリエイター、メディア(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、書籍)関係者が「最高の仕事」だったものが、現在は「ひきこもり最強伝説」時代となりました。

ブルーワーカー最強時代

今や、マスクをしないで満員電車に乗ってタバコ臭い息をしながら咳をするサラリーマンは非難の的となってしまいました。逆に、家に引きこもって、本当に必要最小限にしか活動しない人、あるいは社会参画を拒否している人が偉い、と言われるようになってしまいました。

でももちろん、そんなことはないのです。変わらないことと変わらなければいけないことがあります。変わらなければいけないのは、日本はあまりにも世界から遅れすぎて話にならない。その一方で、世界中でいわゆるホワイトカラーは不要になり、ブルーカラー最強にならないといけないけれどなかなかそうはならない、という問題点はあります。

アメリカではブルーカラー、あるいはガテン系とかシフト仕事は「エッセンシャルワーカー」という名前で呼ばれはじめ、死ぬリスクが極めて高いのに、働きすぎるほど働いてもほとんどお金がもらえない。在宅ワークとかしている人のほうがはるかに高いお金をもらっている。おかしいじゃないか、と言い出しています。

ところが日本は在宅ワークで高給取るのは当たり前、学歴のないブルーワーカーなんか知らないよ、と70前後のバブル勝ち組世代にして、マスメディアにいた人が人目をはばからず言うのですから、本当にめんどくさいな、と思います。

その学歴のないブルーワーカーと称する人たちのおかげで、私達の国は安全で平和で清潔に保たれているわけです。たしかに、コンビニの冷蔵庫に入って写真を撮ったり、飲食店で悪ふざけをするような精神年齢の低い人もいるのですけれど、それだって昭和の大衆食堂の衛生管理に比べたら全然ましなんですけれど。

年金生活者はだまらっしゃい!!

満員電車で痛勤している人たちが働いてくれているおかげで、彼らの給料の2割相当が社会保険料という名前で国を経由して、高齢者に年金という名前で支給されています。だから、マスクをしようがすまいが、外で働いてくれる人がゼロになってしまうと、日本という世界に類を見ない超福祉社会はたちまち崩れてしまうのです。

すでに年金生活になっている人は、「新規感染者は若者だけだ。若者のおかげで俺たちは殺される。許せない」などという資格はありません。彼らが社会保険料を収めてくれなかったら、預金残高はたちまちゼロになって、病気になるより先に経済的に死んでしまいます。

今の年金生活者は、昔の政府の宣伝を信じていて、今でもスポーツ新聞とかに、GPIF(年金積立金の残骸)で政府が何兆円損したせいで年金がでなくなるかもしれない、と馬鹿な心配をしていますが、そんなものはとっくにこの国のいろんな寄生虫が使い果たしてしまって、残骸しか残ってないので、支給されている年金に占める割合は1割にも満たない、数%でしかありません。

かりに、65歳未満の人たちが数カ月全く労働しなかったならば、そのGPIFすらすっからかんになってしまうと言われています。もちろんそれ以前に、あらゆるものは人間が動かしているので、電気もガスも水道も止まって、飲食店もスーパーもコンビニも、バスも鉄道もトラックもタクシーも走らなくなるわけですから、つまり社会が凍結してしまうわけですから、どんなに財産を持っていても餓死してしまいます。

そんなとてもとてもかんたんなこともわからない高齢者たちが、3600万人もいて選挙権を握っているので、日本中の権力とお金がほしい人たちは彼らの方を向いてしまいます。ですから、昼のワイドショーとか見ていると、その時間に働いてくれている人たちや、夜中の仕事で疲れて眠っている人たちが聞いたら発狂しそうなことを平気で発言する老害の山なんですね。

コロナショックの終息とは?

「コロナショック」で私達は、へんてこな「行動変容」ではなく、スクラップアンドビルドで、今までの考え方を捨てて、新しい世界を作っていかないといけない。その境目となる2年間が今始まったばかりなんですよ。ところが、どうしても過去にしがみつきたい人たちがいて、その人たちが夢のような、悪夢のような、たわけたことを言うのです。

残念ながら、1年以内になんの副作用もない特効薬ができたり、ワクチンができたり、病気が収まったり、集団免疫を獲得して、3密なんてへいっちゃら、になる可能性はとてもとても低いのです。

スウェーデンはすでにそうなっていて、日本もそうできる可能性が高い、とか言い出していますが、人口1000万人程度しかいない国と比べるのがどうかしています。あなたがたはスウェーデンの田舎にいったことがないから、グレタさんのことをものすごく馬鹿にしていたくせに、今になったら、スウェーデンバンザイみたいになっている。冗談じゃないですよ。

中期的には集団免疫を獲得し、季節性インフルエンザ程度の死亡率になり、大騒ぎしなくなれば「収束」と考えられるし、暖かくなったら、あるいは灼熱地獄の熱帯夜の連続になればいつの間にか消え去ることを祈って、しばらく静かにしていれば大丈夫じゃない? というのは最初のシナリオでした。

ところが、なにしろまだ8割以上この病気についてわかっていない。わかっていないものは消えるのを待つと最悪何十年もかかる。力づくで消すためには病気を理解しないといけない。しかし、それには大変な犠牲が必要になります。今のところ海外での犠牲者から知見を得て日本でのダメージを最小にしようと考えているふしがありますが、それが成功する確率も高くはありません。

さまざまなメディアや海外の医師がいろんなことを言っていて、このcovit-19という症状になるウィルスの種類は武漢型と欧州型と二種類ある、いや4種類だ、いや17種類だ、いやまだまだ変異するという話があり、どれが正解かわかりません。

典型的な初期症状というのもわかりません。17種類あったら、17種類の初期症状があるのかもしれません。あるいはそもそも初期症状はないのかもしれません。有名なエイズを引き起こすHIVバイルスも、まだ特効薬がなく、しかし増殖を抑えることでエイズを引き起こさないようにだいたいできるようになりました。しかしそのHIVウィルスにもいろいろな型があるようです。

ただ今回のウィルスはそれより凶悪かもしれません。免疫力をできるだけ高めて、つまり、より健康な状態であれば、ウィルスに感染しても病気を発症しない。それで自己免疫により病に勝てれば、その病は発症せず、そうした人が大多数になれば集団免疫を獲得できる、というのが集団免疫という概念のようです。

原発事故以上のインパクト

すでに人口3.3億人のアメリカでは120万人が感染、7.3万人死亡。10万人以上の死亡者がほぼ約束されている状態となり、トランプ大統領が、セプテンバー11よりも真珠湾攻撃よりもひどい状態と発言しています。では日本はどうなのでしょうか。実は日本はかなり今のところうまくコントロールできているのか、たまたま神風が吹いているのかよくわからないのです。

集団免疫をごく短期間(1年とか2年)で得ようとすると、単純致死率ぐらい人が死ぬことを覚悟しないといけない、と言われます。しかしその単純致死率というのもわからないのです。今のところ0.01から11%の間です。医療崩壊を起こした国では11%死んでいるというのです。実はもっと死んでいるかもしれない、という話もあります。

あるいは、抵抗力のない高齢者が多い日本ではもっと悲惨だろうという話もあります。スウェーデンとフランスでは死者の約半数(その後4割という記事も)が高齢者施設の中での集団感染によるもの、と言われ、日本でも一つの病院で約200人もの集団感染が発生しています。

0.01というのは、今のところ公表されている日本における死亡者の割合です。実は感染者はもっと多い、という話と、高齢者は全然守られているという話があり、今後どちらに転ぶのかわかりません。偉い学者さんは、20万人とか50万人死ぬけどいいの? と言っていたり、1万人か2万人に1人程度であれば、他の病気などで死ぬ確率より低いから大騒ぎする必要がない、という人もいます。

ただ、1つだけ確かなのは、かんたんには片づかない、ということです。今年収まったように見えても、今年の冬にまた大流行するかもしれない。あるいはどんどん変異して、薬が作られる頃にはその薬が使えないものになっているかもしれない。あるいは、同じように、へんてこな病気が日本に入ってくるかもしれない。ヒアリショックのように。

日本にもエボラ出血熱は入ってくるかもしれないしデング熱も入ってくるかもしれない。つまり、今後はいつでも、3密防止をし続けないといけないのかもしれないし、あるいは第二波、第三波が来たら、またステイホームしないといけないのかもしれない。原発事故が終息していないようにコロナショックも数十年単位で終息するのかもしれない。あるいは私達が生きている間は終息しないかもしれない。その覚悟が必要なのでしょう。

引きこもりは最強なのか?

さて、それでは引きこもりは最強なのでしょうか。いいえ。適度な運動、十分な栄養、十分な睡眠が必要です。生まれてからずっと引きこもっていた人は、お金を稼いでいないですから、ただ、親はそこそこ裕福な場合が多いので、親の金で親が生きている間は生きていけますが、その後はよほどうまく財産をコントロールしないと、凡人は生きていけません。

親をできるだけ長生きさせれば、特に年金と財産の多い親を長生きさせれば、かなり長生きできる可能性があります。現在の医学では100歳突破は夢ではありません。しかし、専業主婦だった母とニートだった子供の二人とか三人ぐらしになってしまうと、たちまち生活資金が枯渇して追い込まれてしまいます。そうならない前の対策が必要になります。

世界不況だし、今から就職は無理だからユーチューバーやればいいじゃん。この1ヶ月、芸人さんやテレビタレント、歌手などのミュージシャンはその試行錯誤をして失敗しました。なぜでしょうか? みんなが同じようなことをやると、1回1万円したライブでさえ無料でも見なくなってしまうのです。

その上、経済活動が止まっていますから、宣伝広告費がストップしています。そんなお金があるのは詐欺師と投資会社だけです。結果として、どんなにユーチューブでアクセス数を稼いでも、お金が少し前の時期の半分ぐらいしか入らなくなっています。

けっこう個人で頑張っている人で、世間的知名度がある人で7万円、知名度がない人がすごく努力して1万円です。NHKによく出るような人は、50万円ぐらい稼げていますが、それも瞬間風速です。このまま経済が停滞すると、ユーチューバーの食い合いとなり、血の海であり、さらに半額、みたいな状態になります。

つまりHIKAKINですら10万円しか稼げなくなる。10万円は札幌では大金ですが、東京では家賃にもなりません。あらゆるものが変わりますが、不動産価格というのは、地方税の柱になっているので、あまり変化しません。

結局HIKAKINですら転職しなければいけなくなるかもしれません。正解がどこにもない時代になります。誰もやっていないことにいち早くチャレンジすることを繰り返し続けないといけないか、誰でもできることを愚直にやって、あとは節約しつづけるか、どちらかのようにみえます。

ただ、ここ数ヶ月は、ひきこもり最強です。問題はその後ですね。ただ僕らはもうそんなに一所懸命生きる必要がないのかもしれません。