今日はちょっと8050問題の話題からそれます。実は一週間ほどアメリカに行って、現地の家族関係の問題などを調査していました。そうしたことも、非常にバタバタしている理由の一つなのですが、その内容については次回触れることにしますが、まあ、とにかく日本はいい国だなあ、と帰ってきてからしみじみ思うわけで、今日はその雑談です。
アメリカも20世紀と全然違う国
9.11以降、つまり、二機の航空機がニューヨークのワールドトレードセンタービルに突っ込んで、自爆テロが一般化してから、というもの、それ以前とそれ以降ではアメリカはすっかり変わり、すごく治安がよく、さらにハイテクの進化により旅しやすい国になりました。
たとえば、ニューヨークでもローウァーイーストサイドあるいはアルファベットストリートと呼ばれる、マンハッタン島の一番南の東側の出っ張り部分は、十字形の古い中層住居が立ち並び、黒人が多く、治安が非常に悪いため、絶対に近づくな、と言われていました。実際やばそうな雰囲気がありました。
それがちょっと前には原宿化して、ちょっと面白い店がいろいろできて、夜中に女子大生が騒ぐような街に変化し、危険な香りはほとんどなくなりました。また、コニーアイランドという横浜ドリームランドのような遊園地があって、ボッタクリにあったことがありますが、そこも今は住宅街として整備されているようです。
ヘルズキッチンというおどろおどろしい名前の地域も昔はろくでなしがたむろし麻薬売買が行われていたようなところですが、すっかり高級住宅地になりつつあるという話ですし、なにもかもが変わりました。
また、人々も非常に親切になりました。国の危機だ、ということで、観光客には手厚くもてなす態度が強くなりました。それまでは木で鼻をくくったような態度でしたが、すごく親切になりました。ただ、アラブ系、中東の人は別の迫害を受けたようですが。
3アウトルールも功奏
アメリカには3アウトルールというのができ、犯罪抑止に役立っています。これは、万引きとか置き引きとか、スリのような、軽微な犯罪というと語弊があるかもしれませんが、他人に肉体的損傷を与えるようなものではないような犯罪であっても、3回法に触れるようなことをすると、最悪の場合は終身刑を言い渡されてしまうようにルールがどんどん厳格化したため、完全犯罪以外の泥棒はずいぶん減った感じがします。
現に、私は旅行中にうっかりパスポートを椅子の下に落としていたのですが、落としたよ、と注意してくれた人がいてことなきを得ました。日本なら当たり前のことなのかもしれませんが(最近意外にそうでもない)、軽微な犯罪は本当に減ったのだろうと思います。指をさして教える、というのも、手渡ししようとすると(日本人ならやるでしょうが)触った瞬間、盗もうとしたように見えてしまいかねない、という配慮もあるのでしょう。
地域にもよりますが、真夜中に女性がタンクトップでスマホを見ながら歩いていても襲われるような環境は少なくなっているように感じました。
凶悪犯罪には要注意
そのいっぽうかねてから問題の凶悪犯罪はそれなりに多くあります。これはアメリカの中にある抑圧の問題も大きいのです。銃の乱射事件とか、爆破事件とかは、あちらこちらでいつ起きても不思議はありません。
もし、騒ぎが起きていたら、とにかく全力で反対方向に逃げることです。単なるお祭りの可能性もありますが、雑踏というのは犯罪も発生しやすいので、皆がいく方向には逃げない、自分で常に状況判断をする、という必要があります。ですからアメリカ人はながらスマホしていて許されていても、外国人はさまざまなことに注意を払う必要があります。
庶民の生活は苦しくなってる
カウンセラーを商売にしているせいか、なぜか、アメリカ人も私には心を開いて、自分の悩み事などを打ち明けようとします。多くのサービス業の人たちは、ダブルワークトリプルワークは当たり前で、最低時給で65歳過ぎても週に60時間くらい働かないと行けない人がゴロゴロいます。
最低時給以下で働いている人たちもかなり多くいます。アメリカの最低時給は1500円くらいだと思いましたが、実際にはそれでは経営が成り立たないところが多いため、不法移民を雇ったりして時給をごまかしたり、あるいは飲食店のウエイトレスなどは非常に安い賃金で雇えるというような話もききました(お客さんからもらうチップの収入があるため)。
仮に1500円で働けていたとしても、アメリカの物価は日本が2割ぐらい円高になったのに、いまだにすごく高い印象です。全体的にインフレもおきている感じです。安い店でリブステーキを食べると28ドル++、ヒレステーキだと35ドル++くらいです。
高い店だと、さらに10ドルぐらい上がります。++というのは、税金が二種類かかるためで、その上チップを置く必要もあったりするので、お金がパカパカ出ていきます。ランチタイムであってもダイナーのような安食堂でハンバーガー食べても12ドル++。
ホットドッグとシェーク頼んだだけで10ドルぐらいします。それでお腹がいっぱいになるわけではないので、その半額以下で定食や丼が食べられる日本は夢のような国です。しかも清潔でサービスもいいですし。
お金がないので、歯をたくさん失った老人も多く見かけます。医療費とかメガネが異常に高い国ですからねえ。とにかく住居と食事が高いので、どんどんめげてきます。マクドナルドで食べていても千円くらいするので、やんなっちゃいます(北欧だと1500円くらい
ハリウッド映画はファンタジー
アメリカ映画に出てくるようなアメリカ人にはほとんど会いません。つまり全部が作り物です。映画を見てアメリカはいい国だなあ、と思ったら大間違いなので。日本で起きていることはアメリカでもけっこう起きていると思ったほうがいいです。
映画に出てくるアメリカ人は、飛び抜けて明るいですが、実際は、家のローンが払えなくて、生活に余裕がなくて苦しんでいるアメリカ人はすごくたくさんいます。いたるところにいますし、いたるところに廃墟があります。
マスコミは日本の危機をあおっていますが、実際はアメリカのほうが猛烈に危機です。ただ、3億人もいるので、ハッピーな人も多い。それだけの話です。