8050問題(はちまるごーまるもんだい)というのは状況を指して総称しているもので、多くの場合当事者自体もその認識を持っていませんし、個別の状況は千差万別で即効性のある特効薬もなければ私どもが人格矯正を行うということも許されていません。
ただ、7040問題(ななまるよんまるもんだい)の放置により8050問題になってしまっている、さらに言えば若年ニートがそのまま高齢ニート化していることは事実です。そして、その総数は無視できないほど多く、少なくとも社会保障費にかなりの影響を与えること、またこれらの方々を労働力として迎え得る受け皿なしに社会保障費をいたずらに低減させることに危機感を持っています。

現在の概ね50歳以上の世代は、ブランドモノを気にしたり、映画や海外のテレビドラマだったりトレンディードラマだったり、世代により媒体の差はありますが、それらの「みんなが見ていた」メディアからの刷り込みにより「世間体」を重んじ、自分の内面をさらけ出すのを恥と感じ、「こうあらねば」と背伸びをし、ウエットな人間関係を好むことから「めんどくさいおじさん・おばさん」と評価されます。
いっぽう、それ以下の若い世代、特に厳しい受験戦争はあったけど良い就職はなかった、いわゆる「就職氷河期世代」以下は、ドライな現実から社会人をスタートさせていますので、空気をうまく読みながら、会う人にどんどんラベルを貼っていき、自分にとって利益がなさそうな人からうまく距離を置き、あたりさわりなく生きられる人が優秀、と、かなり違う価値観が一般的になっているように感じます。
マーケティング用語では「自尊世代」「マイルドヤンキー世代」など、かなり小馬鹿にしたラべリングがなされますが、繊細な人は弱い人というレッテルをつけられ、「昔の人」が生きづらい世の中に変わってしまいました。自分の時間を大事にする、といってもクリエイティブなことに時間を割くわけではなく、オンラインゲームをやりたい、とライフスタイルも変わってきました。
もうすぐ、クリスマスですが、「クリスマスに一緒に過ごせないとかいう彼女に課金するのアホだよ」とどこまでもドライです。その一方、「クリスマスディナーのフランス料理2万円なんてぼったくりじゃん」とたくましいのです。

SNSや新聞の投書欄でも、「ふつうは××なのに最近の人ときたら」とか「マナーがおかしい」と「自分はみんなの一員として言うが」というスタンスで発言しているのはおおむね
50歳以上です。というより、新聞の購買層がもう高齢者が中心になってしまっているので、若者には届かなくなってきつつあります。
7040問題の場合はこのように親子の間で常識的な価値観が大きく違うことも課題であり、ある意味わかりやすいのですが、親子間での世代的な価値観の違いは実際にはどの世代にもあります。ニートの親は支配者としてふるまうことが多く、救いを求める子供からはどうしようもない分からず屋に見えてしまいます。そこで私どものような第三者が必要になるのです。
多くの場合、国や自治体などには、ニートに対しての金銭面を含めたある程度の救済制度や支援制度もあり、私どももつねづねご提案差し上げておりますが、年齢が高くなるに従ってそうした特典も少なくなります。

今後8050問題や7040問題については見える化が進んで行くものと思われますが、日本にとって有益な労働力が眠っているということを再認識していただき、老後破綻の道に進むことのないよう行政にはお願いしたいところです。