最近、DVであったり、いじめであったり、金銭がらみでの暴力、殺人であったり、暴力的な事件報道が続いています。今週は暴力について考えてみたいと思います。

なんだかんだいって、日本は差別大国ですので、弱いものいじめは看過され、強いものいじめもまかり通っています。立場が弱い人を救わなければ行けない人たちが機関として機能していないのも大きな問題ですし、海外のように宗教的なしばりで暴力に歯止めをかけるということも難しいです。

引きこもりとイジメやDVの問題は切っても切れない話ですが、意外にこの問題には触れられません。DVは親に暴力をふるうパターンが多いですが、その子供が小さい頃には親に暴力を振るわれていた、というケースも少なくありません。また、親が故意にではなく子供を傷つけていた、というケースもあります。

さまざまな人に聞いてみても、問題が無い家庭というのは非常に少数です。皆、何かしらの問題を家庭に抱えていますが、家庭の事情は表に出したくない、という誤った「恥の文化」があり、見えてこないだけなのです。

家庭内に問題が起きていても、誰かが「大人になって」不当にガマンすることで他人から知られないこともよくあります。しかし問題が消えたわけでもありませんしさらに大きな問題に発展する事はよくあることです。

最近は日本も、考え方が欧米化してきたこともあり、離婚率は高まっています。「子供のためにガマンしよう」というのも子供が成人するまでガマンしていたものが、今はシングルマザー、シングルファーザーというのが非常に増えてきています。ただ子供は幸せになりにくい状況が生まれてしまいます。

親子に限らず、赤の他人でも二人だけでずっと暮らすというのは、さまざまなことをお互いに受忍しなければならないものですが、二人の間に上下関係があったり主従関係があったりすると、立場が弱い人は追いつめられやすくなります。

三人寄れば文殊の知恵、というように、三人いる事で物事を多面的に見る事ができるようになります。二人でも一人よりはマシですが限度があります。では多ければいいのかというと、多くなるといつの間にかチームに分かれていて、一人っきりの人はいじめられるような関係性になりがちです。

日本では体格的に劣っているように見える人、小柄な人はそれほどいじめられる事がなく、ターゲットになりやすいのは目立つ人、身体が大きい人、声が大きい人、そして特徴的な人です。また秀才は洋の東西を問わずいじめられやすいです。

なんとなく優れた人はいじめても許される、という間違ったコンセンサスが日本にはあるようすなのです。ですから警察官や役人に、敵意むき出して文句を言う人というのがあとを立ちません。

身体的、経済的にコンプレックスを持っている人はいじめっ子になりやすく、その人から見ると世の中全体が敵ではあるのですが、自分が勝てそうな相手をいじめっ子ターゲットにしてきます。社会全体が不健康であるとしかいいようがありません。

学校教師がイジメを見過ごす、というのは何十年も前からあったことで、明らかにイジメでパンツを脱がそうとしている人たちが人垣を作っているのに「見なかったフリ」をする教師はデフォルトでした。イジメを止めに入る先生というのをほぼ見た事がありません。自分のクラスでイジメがあると査定に響くのでしょう。情けない話です。

非常に残念な事に、身体が大きい人は、回りに脅威を与えてしまうのですが、そのことを本人が自覚できないで育つため、イジメのターゲットになったり、社会からひどい仕打ちを受ける事が少なくありません。「いるだけで迷惑」とかふつうに言われます。

背が高い人の場合、相手との距離を80センチ以上開けないと、脅威に感じられてしまうのです。そして常に下を向いて喋らないといけないため、腰を傷めたり猫背になったりします。相手との距離が遠いので声が大きくなりやすく、そのこと自体も迷惑がられることがしばしばです。

プロレスラーのような体格に見える人は、時々友人から「殴らせろ」と言われるそうです。強そうに見えるから、殴られても痛くないだろう、というのです。そんなことはあるわけがないのに。

日本は第一印象至上主義なので、第一印象でみんなが思うようなことはやってしまって構わない、ということなのでしょうか。どんなコミュニティでもいじめられ役はあっという間に決まってしまいます。

家庭内ですら、4人家族以上になると、男性対女性の勢力争いが起きます。女性が強い家庭の父親はひどく受忍しながら家の中ではすごし、会社の中で害をまき散らしたり、外で愚痴をこぼすことが多いか、耐えきれなくなって離婚してしまう人が多いようです。

日本で「家庭が安心できる場所」というのはどのくらいいるのでしょうか。収入的に厳しく家族と同居している人は少なくありませんが、本当にうまく行っている家庭と言うのはどのくらいあるのでしょうか。想像以上に少ないのではないか、そんな気がしています。悪い例を見過ぎているせいかもしれませんけれどもね。