政府が移民政策を打ち出していますね。「移民政策」という言葉は使っていませんが、実質的にはやはり移民です。若い人手が足りないから、介護業界も建築業界も待ったなしだから、という理由のようですが、本当にそうなんでしょうか? 今の日本には年金だけでは食べて行けない高齢者や、そして、本サイトでも訴求しているように、高齢のニートがたくさんいます。彼らは失業者扱いにはならず、失業統計にも含まれませんが、本質的に失業している労働者です。彼ら彼女らを無視して、移民政策を実施するというのはあまりにも愚かです。

確かに、今、日本に働きにくる、アジア、東南アジアを中心とした人たちは非常に優秀な人も多いです。日本語、英語、母国語を喋る事ができ、若く、力もあります。パソコンもスマホも使いこなします。きちんとした教育を受ければ、素直によく働きます。そこへいくと、残念ながら日本の中年、高齢者は、非常にさびしい事に労働力としては非常にくすんでいることが多いのは事実です。

一番大きな違いは、向上心、好奇心です。人は、この二つを持ち続けている限り、若々しくいられます。50代で15歳、80代で20歳以上若く見られます。「自分はおいぼれだ」「新しいことなんかチャレンジしたくもないしできっこない」。そう思った瞬間に、玉手箱を開けたようにいきなり人は老け込みます。40代なのに60歳の老人のように見えます。いや、60歳はこの時代、老人ではないのですが、老人にしか見えなくなるのです。

50歳代前半は割りを食った世代です。なんとかバブル景気の終わり頃就職できたのに、大学を出てもポストがなくて万年平社員で終わるか、運良く課長職になれたのに、業務効率化の波によりリストラされ、ほとんどの人が十分な教育を受けるチャンスがありませんでした。50歳以下の人はもっと悲惨で、激しい受験戦争はあったのに、就職がなかったのです。

派遣社員など非正規雇用で働き続け、あるいは、非常に小さな会社を点々とし、年収が500万円を超える事はなく、あるいは、年収150万円の年もあれば、700万円の年もあるというフリーランサーだったりします。フリーランスの年収700万円の実質年収は400万円というところでしょうか。経費がべらぼうにかかってしまいますので。

悲しい事に大企業に就職し、好調であれば、年収2000万円の人も同級生にいくらもいるわけです。その人達はそれだけの努力をしているつもりでいますが、そんなことはほぼありません。運が良かっただけです。そして、とにかく頑張ることに疲れてしまってニートになってしまう。しかたないじゃないですか。でも責任は社会にあります。

定年を55歳から65歳に名目だけ引き上げてみても、年収400万円のパフォーマンスを出せる仕事がほとんど存在していない。そのかわり、外国人を年収300万円で雇い入れる。どういうことなんですか? 私たちに死ねとでも? 中高年はゴミ箱に行けと? そんなうまい話はどこにもありません。移民してくる外国人たちも、たった20年くらいで中年とか高齢者になります。

私たちが高齢になった彼らの面倒を見る羽目になります。オシメを替えたり認知症の相手をしたりすることになります。今は日本は経済が強いことになっていますが、移民してくる彼らはエリートであり、日本での経験を踏み台に世界のあちらこちらで生きて行くことでしょう。日本に対するロイヤリティなど全く期待できません。

ですから、政府や社会は、移民を都合よく使う事を考えるのではなく、ぜひ中高年を活用して欲しいのです。中高年が働き続けられれば社会保障の問題も解決するのになぜそれに気づかないか? 非常に残念なことです。移民はフリーライダーとなり治安や社会保障の費用が上がることにつながるというのに、本当に目先の、まるで奴隷制度の時代のように安易に考えて移民を増やそうとするのは、とても信じられません。

日本国民は自分の頭の上のハエも追えない、ということを素直に誠実に受入れるべきだと思います。