ひきこもりは精神疾患とは限りません。というよりほとんど関係ありません。ここは大きな誤解になっています。

確かに、ひきこもりのきっかけとして、会社で大変なパワハラをうけた、とかセクハラをうけた、暴行をうけた、強制性交が行われたなどの非常にショッキングな出来事があり、精神的に非常に不安定になり精神科に通院する、というケースは少なくありません。

また、ひきこもり脱出を標榜する精神科医がごく少数いるためにそうした精神科を訪問するかたも多く、精神科医はカウンセリングでは経営が成り立ちづらいことからなんらかの病名と投薬が行われることもあります。

ひきこもりが長期化している場合はたいがいにおいて生活が不規則になりがちであり、ことに、本当にひきこもっている人は運動が不十分なために夜眠ることがうまくできません。

運動ができているひきこもりであったとしても、ご家族が考えるよりご本人の不安や悩み事は多く、夜、なかなか寝付けない、というのはよくあることです。

不規則な生活というのは、健康にも悪く、また、やがては、と期待している就労への道も閉ざされてしまうため、睡眠導入剤などを投薬していただくためにも精神科の門をたたくことになります。(単純に睡眠導入剤だけであれば、内科や整形外科でも処方してもらえますので、「精神科通院」へのハードルが高い場合はそうした方法もあります)

比較的多く聞くお話としては、親が自分ごとと偽って薬を出してもらい、それを子供に分け与えている、というものですが、これは言うまでもなく違法行為です。

50歳代以上の高齢単身ひきこもり、の場合には、睡眠薬の代わりにアルコールに頼る例もあり、結果としてアルコール依存になり、運動不足や食事が偏ることもあって内蔵が徐々に悪くなっていきます。手に負えなくなってしまいます。

精神的に相当病んでいる状態になるのですが、こうなると投薬を中心とした精神科治療というより、カウンセリングやグループセラピーのようなものが必要になります。

欧米に比べると、日本は「カウンセリングで治る」というリテラシーが非常に低く、「病気は医者が薬や手術で治すもの」という他力本願の意識が非常に高く、もっと問題視されるべきだと思いますが、実際にはそれが大きな社会問題になっています。

つまり古くは豊田商事事件のような、詐欺事案が非常に多いのは自分の「かかりつけセラピスト」がいないことに原因があります。そのため、少し訓練をうけた「年寄り相手の、年配女性による営業電話」などがかかってくるとコロリと騙されてしまい、非常に痛い目にあうのです。

欧米人のセラピストは一時間1万5千円くらいで営業していますが、日本人は一時間3千円でも「高い」「ぼっている」と言います。そのいっぽうで、そういう詐欺師に数百万円騙し取られたとしても「高い授業料を払った」とカラカラと笑っていられるのです。どうも日本人の深層心理というのは理解に苦しみますね。

人間の「心」というのも、ほかの臓器と同じく、一つしかなくて、大事に使えば一生使えるけれども、一度つぶれてしまうと命を落とすことにもなる、とても大切なパーツなんですよね。

沈んでしまった心を輝かすことができれば、数十万とか数百万の美容整形に匹敵するような効果があるというのに、セラピストは職業にできないほど低賃金に苦しめられています。

こうしたことも、日本の社会問題が(お年寄りの目にはできるだけ触れないようにしているけれども)どんどん増幅していき、悲しい結末を迎えようとしている大きな原因なのですけれども。

健康な人が健康を保つために、整体やマッサージに通うようになりましたが、なかなか心の健康、というところに思い当たらないようですね。心は不健康になったら精神科があるからいいや、というのはとんでもない考え違いなのですけれども。

健康なうちに自分にあうカウンセラーさんを見つけておく、というのはこれからとても重要になってくると思いますね。